愛犬・愛猫が食べているのに痩せてきたらどう考え、どう行動する?

愛犬・愛猫の背中をなでて、ゴツゴツと背骨や肋骨の感触があったら、それは痩せすぎかもしれません!

しかも、食事量や運動量が変わらなく、心当たりが無いのに痩せてきたら、それは体内で何か起こっているのかもしれません。

特に、
食べているのに
痩せる

という場合は、大抵「病気」なので、飼い主さんが様子を見るのではなく、原因を追及できる動物病院で、
どこで
どんな原因が
どのくらいの量あって
なにが起こっているのか?
なにをしたらいいのか?
をアドバイス出来る獣医師に相談することをおすすめします。

そこで、「食べていて運動量も変わらないのに痩せていく」ケースを解説する前に、まずは、食欲の有無に関係なく「愛犬・愛猫が痩せる原因をリストアップしてみましょう。

1)食べる量が少ない
2)食べても消化・吸収が不十分
3)エネルギーの過剰消費
4)消化・吸収は大丈夫なのに、栄養を上手く利用できていない
5)栄養を利用する前に糞尿に捨てている
6)食べている量が多いのに体重が減る
7)病気
・糖尿病
・甲上腺機能亢進症
・胃腸の病気
・腎臓病
・アジソン病(副腎皮質機能低下症)
・がん

それでは、それぞれについて解説していきましょう!

1)食べる量が少ない

食事の量そのものが不足しているなら、痩せて当たり前です。
・食事制限(飼い主の問題)
・食欲低下(犬猫の体調の問題)
が理由と考えられます。

「極端なダイエット」を愛犬・愛猫に実施していたり、「大きくならない様に…」「(漠然と)太らないように…」と食事量を減らしすぎているケースです。

これは正確な情報をご存じないことに起因するので、適切な情報を学べば回避できることです。ぜひ、ペット食育協会(R) の入門講座等を参考にして下さい。

なお、消化器を休めるために一日一食にしたら、当然痩せるので、「一日一食にしたら急に痩せはじめたんですが、大丈夫でしょうか?」などと心配する必要はございません。

かかりつけの断食や判断食指導に精通した獣医師に相談しながら進めてください。

食べる量が少なくて痩せるのはいつも通りの量に戻せば良いので大丈夫です。

しかし、いつも通りフードを食べているのに痩せてくる場合は、何か問題がある可能性があります。

いつも通り何も変わっていないのにやせてきたら、「どこかに異常があるサインかもしれない!」とお考え下さい!

2)食べても消化・吸収が不十分

口から食べた食物は、胃液、膵液、胆汁等の相互作用で消化され、主に小腸から吸収されます。

しかし、消化管や膵臓に疾患がある場合に、
a)消化が出来ないから吸収できない
b)消化は出来ているが吸収に問題がある

といった、消化のプロセスや、吸収のプロセスに不具合が起こり、必要な栄養素・カロリーが吸収されず、痩せてくる事があります。

2−a)消化が出来ないから吸収できない

これは、消化液の分泌不全などが原因で、消化酵素剤を服用するのが一般的(対症療法)です。

しかし、それは一時凌ぎでしかなく、原因療法的に「なぜ『消化液の分泌不全』が生じているのか?」の根本原因を調べて取り除かないと、いつまでも消化酵素剤を対症療法的に使用し続けることになります。

症状(下痢など)を緩和すると、大抵の場合はその奥で原因がどんどん深刻化し、状態が悪化していくことになりがちです。

対症療法的には「消化酵素の服用」で症状が消えたら「治った!」ということになるのですが、原因療法的には、「原因が無くなり、正常に消化酵素を分泌できるようになる」ことが「治った!」のゴールとなります。

2−b)消化は出来ているが吸収に問題がある

これは、腸粘膜に何らかの問題(炎症や変性など)が起こっている場合です。

小腸の上皮吸収細胞が機能していないから、消化は出来ているけれど吸収できないため、必要な栄養が体内に取り込まれません。

結果として、筋肉などを分解してエネルギーを調達するモードになりますので、「筋肉が細くなって痩せる」傾向があります。

この場合、食べる量を増やしても根本的な解決にはならず、腸炎等の治療が根本的な解決となります。

もちろん、抗炎症剤を使用しての治療は一時的には必要かもしれませんが、根本的な解決は「炎症(白血球が異物を攻撃している)」の原因となっている異物を特定して排除することです。

3)エネルギーの過剰消費

これは、
a)運動量が増えた(散歩・遊びなど)
b)体内エネルギー消費量が増えた
が考えられます。

3−a)運動量が増えた(散歩・遊びなど)

これは、全く心配いりません。
人間の場合同様、食餌量を増やせば解決です!

3−b)体内エネルギー消費量が増えた

これは、体内の反応が激しくなり、エネルギー需要が増えたことによるので、その問題を解決する必要があります。

その理由の一つに「白血球が闘っている異物の量が多い」があります(いわゆる「病気」です。あくまでも数ある理由のうちの一つですが…)。

この場合は、対症療法的に身体の反応を止めることが大事なこともありますが、基本的には原因療法的視点で「異物量を減らす」ことが大事です。

そのためには、「身体のどこで、何が起こっていて、何を排除したら良いのか?」を調べる必要があります。

何を排除したらいいのかがわかれば、何をしたらいいのかが決まりますが、排除すべきものがわからない場合は、対症療法をするしかありません。

異物量が増えた場合は、食事で根本解決は難しいです。

4)消化・吸収は大丈夫なのに、栄養を上手く利用できていない

腸で吸収された栄養素は、脂質はリンパ管を介して静脈へ、脂質以外の大半は門脈と呼ばれる血管を通り肝臓へ運ばれます。

肝臓で栄養素は処理され、様々な生体成分の材料となり、肝臓で作られた様々な生体成分が、再度血液を介して全身に運ばれ、利用されます。

ところが、肝臓に問題があると、
a)作られるはずの生体成分が十分に作られない
b)吸収成分・老廃物の処理が十分に行われない
などの理由から、

体内各所で必要な成分が不足することがあります。


そのため、必要に応じた調達をしなければならず、筋肉などを分解してエネルギーを調達するモードになりますので、「筋肉が細くなって痩せる」傾向があります。

・肝臓に腫瘍がある
・先天性の肝機能障害(奇形含む)
・肝臓の病気
・高齢に伴う肝機能低下

などが考えられます。

症状を消す選択肢はもちろんですが、原因療法的視点では「異物量を減らす」ことで「症状が出なくなる」ことを目指します。

対症療法と同時進行で、「根本原因」が何か、探って取り除いて、根本的な解決をすることをおすすめします。

5)栄養を利用する前に糞尿に捨てている

a)腎臓の病気(ネフローゼ症候群など)
b)腸の病気(蛋白漏出性腸症など)

などにより、血液中のタンパク質が腎臓や腸から漏れ出てしまい、低蛋白血症、低アルブミン血症などが起こり、酷くなるとむくみ(浮腫)や腹水などの症状が出てきます。

これは、獣医師に相談して、適切なアドバイスを受けて下さい。

どちらも治りにくい(一部では絶対に治らない)疾患とされていますが、状態によっては原因療法で「根本原因」を取り除くことで改善する可能性もありますので、諦めないで下さいね。

6)食べている量が多いのに体重が減る

これは、

a)糖尿病
b)甲上腺機能亢進症

などの可能性があります。

かかりつけの先生に相談して、適切なアドバイスを受けて下さい。

原因療法的には、膵臓や甲状腺が正常に機能していない「根本原因」が

A)膵臓や甲状腺そのものにあるのか?
B)膵臓や甲状腺の近くにあるのか?
C)膵臓や甲状腺から離れたところにあるのか?

を調べ、なにが根本原因かも調べ、それを取り除き切ったらどうなるかを調べて、インスリンやホルモン調整が必要なくなることを目指します。

7)病気

・糖尿病
・クッシング症候群
・消化器疾患
・寄生虫感染症
・心臓病
・肝臓病
・腎不全
・がん
などが考えられます。

日々のケアの実践は飼い主さんが!その方向性の提示は獣医師が!で餅は餅屋の役割分担で、「今できるベスト」でご対応下さい。

これらの疾患も、対症療法的に症状を緩和させることはもちろん大事ですが、原因療法的には、症状が出るに至った「根本原因」を取り除き、症状が出る理由がなくなることを目指します。

これまでの話の他にも、加齢と口内状態が関係してきます。

高齢に伴う食事の代謝や吸収の問題

先にも申し上げた通り、食事から得た栄養成分は、腸から吸収されますが、年齢的に吸収がうまくいかず摂取している栄養成分を吸収出来ない事があります。

原因療法でも、加齢に伴う変化はどうにもならず、改善できることと出来ない事がありますので、お近くの原因療法に取り組む動物病院で「どこに何がどれ位たまっていて、何を使ったら排除出来るのか?」を探ってもらって下さい。

邪魔を減らすことで、体調をベストな状態にすることが目標となります。

口の中が痛むために食欲が出ない

口の中が痛むために食欲が出ない場合があります。

愛犬・愛猫の口内ケアは、飼い主の責任です。

菌の増殖が増え、炎症が強くなり、膿で痛みや出血がある場合、食欲がなくなってもおかしくありません。

食欲がなくなる→栄養不足→体内の筋肉を分解→必要な成分をまかなう

が起こります。

ですから、口がクサイ・よだれが垂れる・顔が腫れるなどの症状が見られ、【かつ】痩せてくる場合、歯周病を疑い、信頼できる獣医師に任せることが重要と思われます。

この際、間違っても歯石を取って終わりにしないで下さい。

口のケアをして、口内細菌の種類を変えることが必須となります。

犬・愛猫が食べているのに痩せる理由

上記を踏まえて、愛犬・愛猫が食べているのに痩せる原因が何かというと…

前述の番号で言えば、

2)食べても消化・吸収が不十分
3)エネルギーの過剰消費
4)消化・吸収は大丈夫なのに、栄養を上手く利用できていない
5)栄養を利用する前に糞尿に捨てている
6)食べている量が多いのに体重が減る
7)病気

の可能性が高いと考えられます。

対処について

食事量を増やすことで部分的には解決するかもしれません。

しかし、それで体重が増えたとしても、体内の問題が解決したかどうかは、飼い主さんには解りません。

ですから、体内の隠れた問題が解決したのかどうかを、獣医師に確認していただく必要があります。

症状が消えたかどうかはもちろん、その症状を作る原因になった「根本原因」が抜けたかどうかを確認していただいてください。

繰り返しになりますが、

特別に運動量が増えたわけでもなく
いつもと同じ食事を与え
いつもと同じ量を食べさせている場合…

これで明らかに痩せていく場合は、何らかの疾患の影響が考えられますので、早急に動物病院へ生き、個々の状態に合わせたアドバイスを受け取って下さい。

全ての基本は口内ケア

 

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